夢と魔法と現実と





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何だ……何なのだ、この小僧は!?

……ええい、焦るな! 焦る必要なんて無い筈だ! 相手はたかが地球人! 我らの餌ではないか! 餌を相手に、何を焦る必要がある!?

そもそも、何故こんな事になった!? 地球人達は警戒心が無く、小さく、弱い。それでいて、我らが好む負の感情を生み出し易い。我らにとってこの地球は、この上無い狩り場だった筈ではないか!?

なのに、たかが小さき餌を味方に付けただけの地球人に我らが同胞を次々と狩られ、あまつさえズゾとディネまで狩られるとは……。

……ええい、落ち着け! 落ち着いて考えねば、まとまる物もまとまらぬわ!

それにしても、本当に何なのだ、この小僧は!? 特に強力な魔法を使うでもなく同胞達を次々と狩りとり、一度は追い込まれておきながらズゾを狩り、あれだけの負の感情を発していたにも関わらず持ち直し、ディネを狩り……そして今、私にこれほどまでの焦りを覚えさせるなど……。

……む、何だこの音は?

足音……おぉ、この足音は我らが同胞達の足音ではないか! さては、私達が襲われた事を知って援軍に駆け付けたか。

しかし、何故同胞達は私が襲われている事を知った? 今日ここに小僧が攻め込んで来る事は、私とディネしか知らなかった筈だが……。

? 何だ? 小僧が何か言おうとしている?

……そうか、命乞いか? 同胞達が駆け付けて来る事に気付いたか。そして、流石にもう助からぬという事を自覚したか?

……違う。小僧の顔は相変わらず笑っている。恐怖や不安など微塵も感じていない顔だ。

何だ!? 何を言いたいんだ、お前は!?

……何? 私がどうしたと言うのだ?




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