ガラクタ道中拾い旅













最終話 ガラクタ人生拾い旅












STEP1 近況を拾う





























「テア国から来たばかりのヒモトちゃんの事が心配で心配でたまらなかったのか、それともアンタがまだ覚悟ができてなくて気恥ずかしくて事に及べないヘタレだったのかは知らないけどね。……まぁ、両方なんだろうけど。本当、あの話を聞いた時は呆れたわ。……で、その後大笑いしたっけ」

当時の様子を思い出したのか、ヨシがニヤニヤと顔を緩める。本当に楽しそうだ。反対にワクァは憮然として、ため息を吐いている。

「俺は今でも、思い出す度に頭が痛くなる」

本当に痛そうにこめかみを押さえるワクァに、ヨシはまたけらけらと笑う。

「じゃあ、もっと頭の痛くなる話を思い出させてあげましょうか? トヨくんが生まれる前の話とか」

「おい、やめろ」

顔を険しくしたワクァが手を上げて制止しようとするが、ヨシは「えー?」と言いながらニヤニヤしている。

「あれ、ヨシさん。来てたんスか?」

牽制しあっていると、トゥモが顔を覗かせた。相変わらず多少のドジはやらかすが、今では王の護衛隊長という任に就いている。ただし、護衛隊長と言う名の悪友であろうと言うのが、傍で見ているヒモトの見解だ。二人で手を組み、時折お忍びで街を見て回ったり、即位前は相変わらず闘技大会にこっそりと出場したりしていたからだろうか。何度も騒ぎに巻き込まれているのに、二人揃って懲りていないと、ヒモトとフォルコの二人から説教をされた事もある。

「何か、ヨシさん楽しそうっスね。何の話をしてたんスか?」

「ほら。城内では知らない者の無い、ヒモトちゃんが来た日の、ワクァの頭が痛くなる話よ」

言われて、トゥモは「あぁ……」と苦笑した。

「アレは流石に……擁護できなかったっス……」

「擁護しなくて良い」

されたら、それはそれでダメージが大きそうである。

「で、ついでだからもう一つの頭の痛くなる話をしようかと」

「あぁ、アレっスか」

頷いたところを見ると、トゥモも知っている話なのだろう。止まりそうにないヨシの一人大暴露大会に、ワクァは頭を抱えた。










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