ガラクタ道中拾い旅
第三話 親友のいる村
STEP6 温かい気持ちを拾う
2
ヨシと連れ立ち村の出入り口へやってくると、そこにはアーク達が勢揃いしていた。足を止めて彼らの顔を見たワクァに、アーク達は口々に声をかける。
「今回は、本当に世話になったな」
「本当。ワクァがいてくれて良かったよ。悔しいけど、俺達だけじゃきっとガキどもを助ける事なんかできなかった……」
「俺達さ、もっと強くなるよ! 俺達だけでも村を守れるくらいに……そんな俺達を見に、またこの村に遊びに来いよ!」
「どっかに永住したくなった時も来いよ。いつでも村の一員として歓迎してやるからさ!」
「何も無くても来いよ! ダチの顔見るのに、理由なんて要らねぇぜ!」
「親父さんとお袋さん、見付かると良いな」
「身体に気を付けろよ!」
「痴漢にも気を付けろよ〜」
「また一緒に狩りしようぜ!」
「うん。俺もまた、ワクァと狩りしたい!」
「誰だ、さり気無く痴漢に気を付けろとか言った奴は!」
ワクァの怒声に、青年達はドッと笑った。その笑いにワクァも苦笑し、村の外に足を踏み出した。そして振り向くと、少々口籠りながらも言った。
「……必ず、また来る。それまで、元気でいてくれ」
その言葉に、青年達は当たり前だと言わんばかりに破顔した。その笑顔に元気付けられたように、ワクァは村の外に向かって歩き出した。その後を、トゥモの母と話していたヨシが追い、更にマフが続く。
村の青年達は、二人と一匹の後ろ姿が見えなくなるまで、いつまでもその背を見守り続けていた。