夢と魔法と現実と





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いつの間にかビル街を通り過ぎ、亮介は町外れの廃工場に来ていた。

「町外れの廃工場とか……雰囲気出過ぎだろ……」

呆れながら場違いな事を呟きつつ、亮介は地面に降り立った。そしてキョロキョロと辺りを見渡し、宇津木の姿を探す。だが、それらしき影は見当たらない。しかし、気配は薄らと感じられるような気がする。

「……やっぱり、ここにいるのか? けど、宇津木さん……何でこんな場所に?」

亮介が首を傾げるのとほぼ同時に、辺りからこの世の物とは思えない咆哮のような音が聞こえてきた。それも、複数。

この咆哮は聞いた事がある。初めて魔法を使った夜に聞いた、イーターの声だ。

亮介は唾を呑み込み、構えの体勢を取りながら辺りを注意深く見渡した。

(……どこだ? 宇津木さんと、イーター達は……どこにいる?)

次第に焦りを覚え始めた頃に、エアテルが甲高い声で一声鳴いた。その声に、亮介よりも一瞬早くトイフェルが首を巡らせる。

「! 亮介、あそこだ!」

「!?」

トイフェルの叫び声に、亮介はその視線の先を注視した。すると、スーツ姿の宇津木がフラフラと廃工場に入っていく様が視界に入る。

「宇津木さん!?」

叫び、思わず亮介は駆け出した。その瞳には宇津木と、更にその先にいるイーターの姿が映っていた。




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