スクリーンチャット(と言う名の小ネタ)集


(全てフィールド上で移動中に発生したものとする)
(タイトル下の( )は大体ストーリーのどの辺りで発生した会話かを示すもの)



「好みのタイプは?」
(フェイがトルス組に加入後、トーコク遺跡に着くまで)


フェイ 「な……なぁ、シン?」
シン  「? 何?」
フェイ 「シンとリノ嬢ちゃんは、幼馴染なんだよな?」
シン  「そうだけど?」
フェイ 「だったらよ、知らねぇか? その……リノ嬢ちゃんの好みのタイプとか」
シン  「知らないわけじゃないけど、情報提供はしないよ」
フェイ 「なっ……何でだ!?」
シン  「言い方は悪いけど、リノってトーハイじゃ結構倍率高いんだよ?」
フェイ 「それは……何となくわかるな」
シン  「そして、私は今まで誰にもリノの好みのタイプ等など駆け引きが有利になる情報を提供した事が無い」
フェイ 「……ここで俺にだけ教えたらフェアじゃねぇって事か」
シン  「そういう事。悪いけど、自分で努力して調べてくれる? 折角これから一緒に旅をするんだし」
フェイ 「そうだな……やってやる……俺はやってやるぜ!」
シン  「……色恋沙汰にうつつを抜かして本来の使命を忘れないように」



   シン「……トーハイに戻ってからがちょっと怖いかもしれないな……」


「お願いします!」
(チャキィがラース組に加入後)


リアン 「天にまします我らが神に、かしこみ願い奉る! 庇護無き雨をこの地に降らし、悪の力を削ぎたまえ! ブラッディ・レイン!」
ウィス 「うわぁ……何かいつにも増して気合いが入ってるなぁ、リアン……」
チャキィ「フラストレーションがたまっているんでしょうか……? ところで、リアンさんが詠唱する時に言っている「天にまします我らが神に、かしこみ願い奉る」ってどういう意味ですか、ウィス先生?」
ウィス 「んー……簡単に言っちゃうと、「神様、どうかお願いします!」って感じかな?」
チャキィ「へー…………何か、お願いと言うよりは命令に見えますけど」
ウィス 「……だよね」
リアン 「……おい。戦闘をサボって何油を売っている?」
ウィス・チャキィ「!」
チャキィ「てっ……天にまします我らが神に、かしこみ願い奉る! リアンさんの雷から助けてくださいっ!!」
ウィス 「あー……何かこっちの方が、「お願いします」って感じかな……」



   ウィス「そう言えば……普通詠唱って命令形にする人が多いんだけど、リアンの詠唱って依頼形だよね」
   リアン「? そんなに珍しい事か?」
   ウィス「……案外向いてるんじゃない? 神官」
   リアン「それが神官に向かって言う台詞か?(怒)」


「羨ましい……!」
(ルナがトルス組に加入後)


シン 「ところでさ、ルナの魔法の名前って変わってるよね」
ルナ 「そうでしょうか?」
シン 「うん。カグツチとか、ワダツミとか……響きが不思議な感じ。どういう意味なの?」
ルナ 「さぁ……どういう意味なのでしょうか?」
シン 「え」
ルナ 「実はこの言葉……今回とはまた別のミラージュに伝わる神話に登場する神様の名前ですの」
シン 「そうなの!?」
ルナ 「えぇ。何万年前かは存じませんが、以前繋がった際に手に入れたようで……それからずっとシューハクに伝わっておりますの」
シン 「伝わってるって……その神話が? 本ごと?」
ルナ 「えぇ。シューハクの子どもは、それの複写を絵本代わりに読んだりしますのよ」
シン 「ミラージュの神話の本を絵本代わりに……う、羨ましい……!」



   ルナ「複写でよろしければ、いずれお貸ししますわ」
   シン「是非よろしく!」


「余ってる……?」
(サーサがトルス組に加入後、ゴドに着くまで)


フェイ 「りっ……リノ嬢ちゃん! あっちに綺麗な花が咲いてたぜ?」
リノ  「え? どこですか?」
フェイ 「お……おう。こっちだこっち!」
サーサ 「ルナ! ……その……荷物、重くないか? 持つよ」
ルナ  「あら、ありがとうございます」
サーサ 「いっ……良いよ、別に……礼なんて!」
シン  「フェイだけじゃなくて、サーサもか。二人とも青いなー。今後どうなるかが見ものだよね?」

………………。(誰もいない)

シン  「……ひょっとしなくても私、余ってる……?」



   シン「いや、余るの自体は別に構わないんだけどさ……」


「求ム恋バナ」
(ホーステイルがラース組に加入後、レイホワに着くまで)


チャキィ「遂に女の人が加入! ですね! こうなると俄然楽しみなのが……」
ホース 「かまくら完成ーっ!! みんなー! 今日寝泊まりする場所、できたわよーっ!!」
アスト 「……(困惑)」
リアン 「……(眉間に皺)」
ウィス 「……(苦笑)」
チャキィ「……誰か一人くらい咲かせましょうよ、恋の花……」
リアン 「この面子で咲かせられるものなら咲かせてみろ」



   チャキィ「……咲いたら咲いたで天変地異の前触れと思うかもしれないですね……」
   リアン 「俺を見ながら言うな」




(以後全て2パーティ合流後)



「親密度が……」


フェイ 「なぁ、おいサーサ」
サーサ 「? 何だよ?」
フェイ 「お前が仲間になってから、結構経つよな?」
サーサ 「ん? あぁ、そうだな。それが?」
フェイ 「お前より早くから仲間だった俺の事を、リノ嬢ちゃんが未だにさん付けで呼ぶんだが……どうしてだと思う?」
サーサ 「は? 年上だからじゃないのか? 普通に考えて」
フェイ 「シンやウィスやリアン、アストは?」
サーサ 「シンは幼馴染だし、ウィス達はそのシンと1つか2つしか違わない。年上って感じがしないんだろ」
フェイ 「じゃあ、ホースは何なんだ? シンより5つも年上で、しかもリノ嬢ちゃんの親の知り合いらしいじゃねぇか」
サーサ 「リノの親の方が立場は上なんだろ? 女同士だし、それに……」
ホース 「やーっ!! リノくんリノくん! お鍋吹いちゃった! どうしよう!?」
リノ  「落ち着いてホース! あ! ちょっと! 今火を消したら駄目よ!!」
サーサ 「……年上に見えるか?」
フェイ 「……見えねぇな……」
サーサ 「そういう事なんだよ。諦めろ、おっちゃん」
フェイ 「誰がおっちゃんだ!!」



   サーサ「僕から見たら、32歳は立派なおっちゃんだって」
   フェイ 「お前、7年後にホースに同じ事言ってみろ……」


「仲良くしたいの」


チャキィ「じーっ…………」
シン  「? どうしたの、チャキィ? 私に何かついてる?」
チャキィ「いっ……いえ、何でもないです! ゴミもご飯粒もオバケも何もついてないですよ!?」
シン  「そ……そう?」(フェードアウト)
チャキィ「うー……上手く話しかけられません……。仲良くしたいのにぃ……」



   シン「……オバケ? 見えるの……?」


「仲良くしたいの 2」


チャキィ「じーっ…………」
ウィス 「チャキィ、最近よくシンの事を見てるよね? 何かあったの?」
チャキィ「何も無いです……。仲良くしたいのに、仲良くなるチャンスが全く! 何も! 無いんです……」
ウィス 「あぁ、成程。それなら、ストレートに言えば良いんじゃないかな?」
チャキィ「ストレートに……ですか?」
ウィス 「うん。シンなら多分、「仲良くしたい」ってストレートに言ってくる人を邪険にしたりしないと思うよ?」
チャキィ「そうですか? ……そうですね! うん! 頑張ってみます!」
ウィス 「うん、頑張れ!」



   チャキィ「じーっ……」
   ウィス 「あれ? ストレートに言ってみるんじゃなかったの?」
   チャキィ「うー……タイミングが掴めません……」
   ウィス 「あー……」


「仲良くしたいの 3」


ホース 「ところでチャキィくん、どうしてシンくんなの? 他の子達とは仲良くならなくても良いの?」
アスト 「サーサや……ルナの、方が……仲良く、なり易いと……思います」
リアン 「そうだな。それに、俺が言うのも何だが……奴は性格が悪いと思うぞ?」
ウィス 「……僕達がいない間に何かあったの……?」
チャキィ「だって、シンさん、カッコ良いじゃないですか! いつでも冷静! 剣も魔法も使えて、知識も豊富で知恵もある!」
ホース 「それは……まぁ、凄いとしか言いようが無いわよねー」
アスト 「素直に、感心……します……」
チャキィ「ですよね!? おまけに、お茶目な面もあるんですよ! 憧れます! ボク、あぁいう大人になりたいです!」
リアン 「お前、ウィスを尊敬していたんじゃなかったのか?」
チャキィ「勿論、ウィス先生の事は今でも尊敬してますよ? けど、尊敬するのと、あぁなりたいと思うのは別物です」
ウィス 「え……」
ホース 「じゃあじゃあ、私達の中で一番「あぁなりたい」って思うのは誰? 私? リアンくん? アストくん??」
チャキィ「えー……誰のようにもなりたくないです……」
リアン 「! このクソガキ!」
ホース 「ちょっとチャキィくん! その言い方は酷いわよー!!」
チャキィ「ほらー!! そういう風だからなりたくないんですよー!!」(フェードアウト)
リアン 「あ、待て!!」
ホース 「そういう風って、どういう風よーっ!?」
ウィス 「何か……地味に傷付いたかも……」
アスト 「……同意、します……」



   チャキィ「少なくとも、戦闘狂や××料理人にだけはなりたくないですよー」


「仲良くしたいの 4」


チャキィ「あ、あのー……シンさん」
シン  「あ、チャキィ。丁度良いところに!」
チャキィ「へ!?」
シン  「悪いんだけどさ、チャキィのお手玉、ちょっと見せてくれない?」
チャキィ「え? 良いですけど、何で……」
シン  「チャキィの戦い方って面白いなって思って。習得して、剣や魔法と上手く使い分ける事ができれば戦闘のバリエーションが増えるかも」
チャキィ「あ! シンさんならできるかもしれませんね! 面白いです、それ!」
シン  「ついでにさ、アストの魔法も研究して、取り入れてみようか?」
チャキィ「アストさんの魔法ですか?」
シン  「そう。例えば、魔力を注いだボールをモンスターにぶつけたら、モンスターをボールに閉じ込める事ができる」
チャキィ「おぉっ!」
シン  「更にそのボールを持ち運んで、いざという時はボールからモンスターを出して戦わせる事ができるとか!」
チャキィ「良いですね! 絶対に便利ですよ! 何て言いましょう? ポケットに入っちゃうモンスターだから、略してポケモ……」
ウィス・リアン「それ以上は言っちゃ駄目だ!(言うな!)」
シン  「! 何、2人とも草むらから覗いてたの? 趣味が悪いなぁ……」
リアン 「言いたい事はそれだけか……」
チャキィ「って言うか、何で駄目なんですか、ウィス先生?」
ウィス 「いや、何か……天の声が……」
シン・チャキィ「?」



   チャキィ「仲良くなれました!」
   ウィス 「よ……良かったね……?」
   リアン 「タチの悪い者同士がタッグを組んでしまったように思えるんだが、気のせいか……?」


「告っちゃえよ」


リアン 「……」
リノ  「あら? どうしたの、リアン?」
リアン 「いや……何でもない」
リノ  「? そう?」
リアン 「……」

シン  「……見た?」
ウィス 「……うん」
シン  「リアンがリノの事を見てたよ?」
ウィス 「……うん」
シン  「あれは……どう取れば良いんだろう? ルナやホースが見てたら、恋の花が咲いたとか言いそうだけど」
ウィス 「……うん」
シン  「……ウィス?」
ウィス 「……うん」
シン  「……わっ!」
ウィス 「うわっ!?」
シン  「ボーッとして……どうかした?」
ウィス 「うん……何て言うかさ……リアンにもやっとそういう感情が芽生えたのかと思うと、感無量で……」
シン  「お前はリアンの母親か」



   ウィス「今まで苦労してきてるしさ……幸せになって欲しいよ……」
   シン 「ちょっと落ち着こうか」


「告っちゃえよ 2」


チャキィ「何か最近……リアンさんがリノさんの事をよく見ているような気がします」
シン  「チャキィもそう思う?」
チャキィ「はい。リアンさんが同じ人を四六時中見てるなんて珍しいですから、嫌でも気付きます」
ウィス 「何か言われてるよ、リアン……」
シン  「因みに、チャキィはあれはどういう事だと思う?」
チャキィ「うーん……恋の花が咲きそうだって言うなら、面白いんですけどねぇ……」
ウィス 「面白いって……」
チャキィ「だって、リアンさんですよ? 戦闘と幼馴染の安否にしか興味が無かった通称鬼神が恋の花ですよ?」
シン  「言われてみれば……確かに面白いかもしれないね。よし、もっと面白くする為に、二人きりになる機会とかセッティングしてみようか」
チャキィ「良いですね! どう接して良いかわからずにうろたえるリアンさんとか、すっごく見てみたいです!」
ウィス 「何だろう……何だか今ものすごく、リアンに「逃げろ」と言いたい……」



   シン  「あ、でも駄目だ。最終的にリアンに有利に働くかもしれないし、フェアじゃない」
   チャキィ「リノさんって倍率高いんでしたっけ?」
   ウィス 「(何となく)ほっ……」


「告っちゃえよ 3」


ウィス 「ね、ねぇリアン? 何か最近、リノの事をよく見てる、よね?」
リアン 「!? そ……そうか!?」
ウィス 「何でそんなに慌てるの……。……リノの事、そんなに気になる?」
リアン 「……あぁ」
ウィス (あのリアンが素直に頷いた!? 只事じゃない……やっぱり、チャキィが言うように恋の花!?)
リアン 「どうしても訊きたい事がある。だが……何と訊けば良いのかわからない」
ウィス 「(訊く? 何を? まさか「妻になってくれないか?」とかそのテの問い掛け!?)……何を訊くのか知らないけどさ、そんなに訊き難い事なの?」
リアン 「あぁ……どう訊けば、あいつに不快な思いをさせずに済むか……それがわからない」
ウィス 「……ストレートに言っちゃいなよ」
リアン 「……何?」
ウィス 「ストレートに告白しちゃった方が良いよ! 回りくどい言い方なんかしたら、リノにはリアンの気持ちが伝わらないかもしれない!」
リアン 「……そうか……」
ウィス 「……うん……」
リアン 「わかった。……助言、礼を言う」
ウィス 「お礼なんか良いよ。幼馴染の為だしね。……リアン」
リアン 「?」
ウィス 「頑張れ」
リアン 「……あぁ」



   ウィス「……ん? 何か、どこからか視線が……」
   リアン「?」


「告っちゃえよ 4」


シン  「まさか、ウィスがリアンの背を押すとはね……」
チャキィ「ウィス先生、お手柄ですね!」
ウィス 「……何で覗いてるの、二人とも……。悪趣味だよ?」
シン  「ウィスも覗いてるじゃない」
ウィス 「! それは……二人が変な茶々を入れないように……」
シン  「……説得力無いよ? ……! 来た!」

リノ  「リアン、話って?」
リアン 「リノ……お前に、頼みがある」
リノ  「頼み?」
リアン 「あぁ……その……この前お前が作ったトーハイの料理、とても美味かった」

チャキィ「料理を褒める手で来ましたよ」
シン  「自分の為に料理を作って欲しいって告白に持っていく気かな? 正直、リノ相手だとあまりおススメできない方法なんだけど……」
ウィス 「! そんな……」

リノ  「あら、ありがとう。リアンって滅多に褒めそうにないから、そう言ってもらえると嬉しいわ」

シン  「お! このパターンは初めてだ。脈があるかもしれないよ、リアン」
ウィス 「! 本当に!?」
チャキィ「シッ! お二人とも静かに! いよいよクライマックスですよ!?」

リアン 「それで……その……もし良かったら、あれのレシピを教えて欲しい!」

ウィス 「え?」
チャキィ「へ?」
シン  「は?」

リノ  「あら、そんな事? 勿論良いわよ。……じゃあ、早速今日の夕飯を作る時にでも……」
リアン 「あぁ。……恩に着る」

シン  「……何、あれ? 結局告白できなくて、誤魔化したって事? それとも、まさかあれが素?」
ウィス 「……何か、いつになく嬉しそうな顔してるし……後者、かな?」
チャキィ「何かボク、リアンさんの事がわからなくなってきました……」
ウィス 「……幼馴染だけど、僕も……」
シン  「私も。これは、リアンに対する評価を改めないといけないかな?」
三人  「……はぁーっ……」



   サーサ「なぁなぁ、最近リノとリアンが一緒に料理してる事が多いけど、あれって……」
   チャキィ「恋の花じゃないですよ(ぶすっ……)」
   サーサ「? 何怒ってんだよ……?」


「救世戦隊ミラージュファイブ!」


チャキィ「元気が一番! チャキィ・クリック!」
サーサ 「クールに決めるぜ! サーサ・ホーティン!」
ルナ  「清らかなる月、ルナ・セレナード」
ホース 「命の守護者、ホーステイル・ヴァントーズ!」
アスト 「人数、合わせ……アスト・チェンシー……」
チャキィ「力を合わせて世界を守る! 救世戦隊!」
五人  「ミラージュファイブ!」

ドーン!

リアン 「食事の仕度も手伝わないで何をやっている?」
チャキィ「救世戦隊ミラージュファイブですよ! えへへ……一度やってみたかったんですよ、こーゆーの!」
サーサ 「僕も。男なら一度は憧れるよな!」
ホース 「私は女だけど、憧れたわー」
ルナ  「私はチャキィとサーサに誘われたのですが、楽しいですわ」
アスト 「私は……少し、恥ずかしい……です」
リアン 「ならやるな! 全く……ウィスはどうした? 子どものお守りはあいつの仕事だろう!」
リノ  「そう言えば……シンとフェイさんの姿も見えないわね」
フェイ 「はーっはっはっは!」
リノ・リアン「!?」
フェイ 「現れたな、ミラージュファイブ! 今日こそ地獄に叩き落としてやるぜ!」
チャキィ「お前は……悪の大王フェイ! 死んだハズじゃあ!?」
リアン 「まだ続けるのか」
リノ  「一度死んだ事になってますよ、フェイさん……」
シン  「大人しくしてもらおうか。じゃないと、人質がどうなっても知らないよ?」
チャキィ「! ウィス先生!」
リアン 「ウィス! お前まで何をしている!?」
ウィス 「何か、断れなくってさ……って言うか、僕、また人質?」
リノ  「シンも! 何やってるの!?」
シン  「実はこういうのって、ヒーローよりも悪役の方がやってて楽しいよね」
リノ  「そういう事じゃなくて!」
サーサ 「人質を取るなんて卑怯だぞ!」
フェイ 「何とでも言いやがれ! こいつを返して欲しけりゃ、河原まで来い! そこで決着を付けてやる!」
(シン、ウィス、フェイ、フェードアウト)
ホース 「! 待ちなさいよーっ!!」(フェードアウト)
アスト 「フェイ……ザコ臭い、悪役……似合い過ぎ、です……」(フェードアウト)
ルナ  「参りましょう! 何としてでもウィスを助け出しますわ!」(フェードアウト)
サーサ 「行くぞ!」(フェードアウト)
チャキィ「はい! ……待っていて下さい、ウィス先生!」(フェードアウト)
リアン 「……」
リノ  「……」
リノ・リアン「はーっ……」



   リノ 「あっ、お鍋が焦げちゃうわ!」
   リアン「そろそろ皿を準備するか」
    (現実逃避をする事にしたようだ)


「救世戦隊ミラージュファイブ! 2」


チャキィ「あー……うー……」
リノ  「あら。戦隊ごっこは終わったの?」
チャキィ「終わってませんー……一時撤退したんですー……」
リアン 「撤退?」
サーサ 「幹部がさー……あ、シンの事な。強過ぎるんだよなー……」
ルナ  「まさか、あんな所にトラップが仕掛けてあるとは思いませんでしたわ……」
ホース 「私も。まさか遊びに心理戦を仕掛けてくるなんて思わないわよー!」
アスト 「……大人げ、無いと……思います……」
サーサ 「あれ、絶対シンがやってみたかったんだぜ」
チャキィ「フェイさんは、遊びでもやるからには全力で! って思いっきり攻撃してきますしー……」
ルナ  「結局、ウィスを助けられませんでしたわね……」
五人  「はー……」
リアン 「……」
リノ  「……」
リアン 「……弱過ぎるんじゃないか? ミラージュファイブ……」



   チャキィ「このままじゃウィス先生を助けられません〜!」
   サーサ 「シンとフェイに勝てるのなんか、リノしかいないよな……」
   チャキィ「じっ……(すがるような目)」
   リノ  「……」


「救世戦隊ミラージュファイブ! 3」


シン  「戻ってこないねー、ミラージュファイブ……」
フェイ 「そうだな。何やってんだ、あいつら……」
リアン 「おい、ウィス」
リノ  「シン。フェイさんも」
シン  「あれ? リノ、リアン、どうしたの?」
リアン 「チャキィ達に、ウィスを助けろと泣きつかれた」
フェイ 「何だあいつら。結局リアンやリノ嬢ちゃんに頼るのか?」
ウィス 「そもそもがやり過ぎなんだと思うよ、二人とも……」
シン  「それで? リノ達がこっちに来て……依頼をしたチャキィ達はどうしているのかな?」
リアン 「食事をしているが?」
フェイ 「へ?」
シン  「はい?」
リノ  「とっくにできてるもの。早く行かないと、なくなるわよ?」
フェイ 「そりゃまずい! 急ぐぞ、シン!」(フェードアウト)
シン  「そうだね。そんなわけだからウィス、人質役、お疲れ様!」(フェードアウト)
ウィス 「え? あ、うん……」

………………。

ウィス 「これ、ひょっとして……僕、ご飯に助けられたって事?」
リアン 「……」
リノ  「……」
ウィス 「あはは……何か、空しくなってきた……」



   チャキィ「あ、リアンさんとリノさんが司令官って事で良いですか?」
   リアン・リノ「良くない」


「禁句」


チャキィ「1番! シンさん+16p=リアンさん!」
ルナ  「2番。シン=ウィス、ですわね」
アスト 「3番……ウィス……+フェイ……÷2……=サーサ……です」
チャキィ「うーん……4番。リノさん+ハイテンション=ホースさん」
ルナ  「5番……思い付きませんわ」
アスト 「私も……降参、です……」
リノ  「……何の話?」
チャキィ「1番! 見た目!」
ルナ  「2番。口調ですわ」
アスト 「3番……同じく、口調……です」
チャキィ「4番も口調ですよー」
リノ  「……言わないであげて……」



   チャキィ「多分、探せばまだまだたくさんありますよー」
   リノ  「やめてあげて……」


「みんなの料理の腕前は?」


シン  「突然ですが、料理当番を決めたいと思います」
サーサ 「本当に突然だな。 ……どうした?」
シン  「いや……一部の人間に任せっきりなのはどうかと思った」
ウィス 「確かに……食事に関してはリアンとリノに頼りっきりだよね。当番制にするのは良い事だと思うよ」
チャキィ「そうですね。ところで、皆さん料理は何が作れるんですか?」
ホース 「はいはーい! 私は炭!」
チャキィ「ホースさんには訊いてません! 炭を料理にカウントしないで下さい!」
シン  「私は一人暮らしが長いから、簡単な物なら大体は作れるよ。ただし、味の保証はしない」
ウィス 「僕も一人暮らし。だから大抵の料理は作れるけど……美味しいかと言うと……」
アスト 「私も、一人暮らし……なので、作れなくは……ないですが。……とても、遅い、です……」
フェイ 「俺は焼肉と焼き魚しか作れねぇぞ?」
サーサ 「僕も。あ、あとおにぎりぐらいなら作れるぞ」
ルナ  「私はサンドイッチしか……恥ずかしながら料理はほとんどやった事がございませんの」
チャキィ「実を言うと、ボクもルナさんと似たようなものです」
全員  「……」
シン  「突然ですが、リノとリアンが調理している間の手伝い当番を決めたいと思います」
シン以外「異議無し!」



   サーサ「……手伝いに行ったら、却って邪魔だって追い返された……」
   ホース「調理の場に近付くなって言われたわー」
   シン「……」


「好みのタイプは? 2」


チャキィ「突然ですが、質問です! 皆さんの好みの異性のタイプを教えて下さい!」
リアン 「いきなり何だ」
チャキィ「だって、折角の男女混合パーティですよ? 訊きたいじゃないですか。丁度車座になってますから、ボクから右回りでいきますよ!」
ウィス 「拒否権は無いんだ……」
チャキィ「ボクの好きなタイプは優しくて、けど叱る時は厳しく叱ってくれる人です!」
サーサ 「それ、本当に好きな異性のタイプか? 理想的な保護者のタイプじゃないよな?」
シン  「公私の区別をちゃんと付けて、特別扱いをしない厳格な人って事かな?」
チャキィ「そうです! 流石シンさん! じゃあ、そのまま続けてお願いします」
シン  「チャキィの好みのタイプを聞いて、「なるほど」と思った。だから、私もチャキィと同じで」
チャキィ「……あれ?」
シン  「次、リノ」
リノ  「私は……料理ができるとか、そういう女らしさじゃなくて、私自身を好きになってくれる人かしら?」
シン  (フェイが物凄い勢いで頷いてる……)
サーサ 「るっ……ルナは? どういうタイプが好みなんだよ?」
ルナ  「私は……そうですわね。強くてたくましい方が好みかもしれませんわ」
シン  (サーサが自分の腕をガン見してる……)
フェイ 「おっ……俺は、その……あの……」
サーサ 「僕は……えっと……その……」
チャキィ「あ、今の態度でなんとなくわかりましたから、お二人は良いです」
シン・フェイ・サーサ「……」
アスト 「私は……その……趣味が、合う……人が、良いです」
ウィス 「あ、大事だよね、それ。僕も趣味や好みが合う人が良いよ。リアンは?」
リアン 「……考えた事が無い」
チャキィ「言うと思った! 駄目ですよ、こういう時はちゃんと乗っておかないと!」
リアン 「乗ろうにも本当に考えた事が無いんだ! 言えるわけがないだろう!」
チャキィ「じゃあ、とりあえず選択肢をあげますよ」
リアン 「選択肢?」
チャキィ「はい。次のうち、どのタイプが好みですか? 1番、リノさんみたいな人。2番、ルナさんみたいな人。3番、シンさんみたいな人。4番、ウィス先生みたいな人!」
ウィス 「……4番、何で僕?」
チャキィ「普段のやりとりを見ているとホースさんは何となく無さそうだったので、代理で」
ウィス 「……」
シン  「……」
フェイ 「……」
サーサ 「……」
リアン 「……どれを選んでも嵐を呼びそうなんだが……」
サーサ 「ってかさ、そもそも神官って、相手作っても良いものなのか?」
リアン 「……一応、教義的に問題は無かったはずだが……」
ウィス 「……まずさ、理想を語る前に……女性陣はともかく、僕達、相手見付かるのかな……?」
アスト 「……確かに、自信は……無い……です」
フェイ 「……」
サーサ 「……」
ホース 「心配しなくても、大丈夫よ。みんな優しくて真面目で誠実だもの。きっと良い人が見付かるわ。あ、因みに私の理想のタイプは、私の料理を美味しいと言って食べてくれる人」
チャキィ「……それ、一番厳しくないですか……?」



   ホース「じゃあ、厳しくならないように練習した方が良いかしら? 今日の夕飯は私が……」
   チャキィ「お願いですから止めて下さい!(泣)」


「温泉」


チャキィ「ふんふんふんふん……」
ウィス 「どうしたの、チャキィ?」
チャキィ「何か……変な臭いがしません?」
ウィス 「変な臭い? ……あぁ、確かに。これは硫黄の臭いだね。って事は……」
ホース 「みんな来てーっ! 温泉よ! 温泉があるわよーっ!!」
リノ  「温泉!?」
シン  「へぇ……こんな所に温泉が湧いてるなんて知らなかったな」
ルナ  「看板などもございませんし、今まで誰にも発見されなかった……という事ですわね」
チャキィ「わ! 丁度良い熱さですよ!」
ホース 「ホント!? じゃあ、折角だから入っていきましょうよ!」
リアン 「馬鹿を言うな。そんな時間は……」
ウィス 「少しくらいなら良いんじゃないかな? それに、足の怪我にも良いかもしれないよ?」
アスト 「足湯……という、方法も……あります」
リアン 「ム……」
ホース 「よし決まり! そうと決まったらフェイくん! 脱衣場用にテント建てて!」
フェイ 「お!? おう……」
ルナ  「私は湯上がりに楽しめるよう、果物を用意致しますわ」(フェードアウト)
リノ  「じゃあ、冷たい水も必要ね。シン、探しに行きましょう」(フェードアウト)
シン  「え? あ、うん。……あ! サーサ! アストやウィスと協力して、温泉を囲む目隠しを作っておいてくれる!?」(フェードアウト)
サーサ 「え!? あ、わかった……」
ホース 「じゃ、私はお湯に浮かべる花を探してくるわーっ!」(フェードアウト)
ウィス 「……行動早ーっ……」
サーサ 「戦闘の時よりよっぽど早いよな。……女って……」



   ホース「シンくん、シンくん。スズラン見付けたんだけど、お湯に浮かべて良いと思う?」
   シン 「……冗談で言ってるんだよね?」

    (注:スズランには毒性があります。運が悪いと死に至る恐れもあるようです。花、根、実に関係無く、スズランを口にしてはいけません。生けた水も危険です)


「温泉 2」


ウィス 「よし……目隠しはこんなところかな?」
サーサ 「思いもしない肉体労働で汗だくだよ……女連中が色々やってる間に、先に入っちまおうかな……」
ウィス 「……多分、半殺しにされるよ、それ……」
サーサ 「……だな。本当、女って風呂好きだよなー……」
フェイ 「だが、だからこそ男も楽しめる……ってのもあるぜ?」
リアン 「?」
アスト 「どういう……意味、ですか?」
フェイ 「バッカ。温泉があって、男がやる事なんざ1つだろ?」
ウィス 「え? ……! まさか……」
サーサ 「……覗くのか?」
ウィス 「だっ……駄目だよ、そんなの!」
アスト 「バレたら……殺され、ます……」
フェイ 「バレなきゃ良いんだよ! お前は興味無ぇか、サーサ?」
サーサ 「……そりゃ、興味無いって言ったら嘘になるけどさ……」
ウィス 「サーサ!」
アスト 「覗きは……駄目、です……」
フェイ 「良い子ぶってんじゃねぇぞ、ウィス、アスト。それとも何だ? お前ら、背はあっても実は女とかいうオチか?」
ウィス 「ちっ……違うよ!」
アスト 「私は、正真正銘……男、です……」
フェイ 「だったら、やってみろ! やって、男らしさを見せてみろ!」
ウィス・アスト「……!」
リアン 「簡単に丸めこまれるな!」
フェイ 「そういうお前はどうなんだ、リアン? ……そういやぁお前、基本的にウィスの心配しかしねぇな? ……そっちの気でもあるのか?」
ウィス・アスト・サーサ「……!?」(引き)
リアン 「馬鹿を言うな! ……良いだろう。お前の茶番に乗ってやる!」
サーサ 「お前も充分簡単に丸めこまれてるよ……って言うか、大丈夫か、この面子……?」


   ウィス「あれ? 何か、忘れてるような……」


「温泉 3」


サーサ 「おい! シン達が戻ってきたぞ!」
フェイ 「いよいよだな……なぁ、四人の中で、誰が一番デカイと思う?」
サーサ 「……ルナかな。一緒に馬に乗った時、デカイと思った」
フェイ 「さらりと羨ましい発言しやがって! ……因みに俺は、リノ嬢ちゃんも案外イイ線いってんじゃねぇかと思う」
ウィス 「そっ……それを言うならホースだって! ……大きいと、思うよ……多分」
フェイ 「声が小さくなってんぞ」
アスト 「少なくとも……背は、一番……大きい、です……」
サーサ 「あー……うん、そうだな。……ってかお前らさ……妹を必死にフォローする兄貴みたいになってるぞ……」
リアン 「とりあえず……一番小さいのが誰かは何となく予測はつくな」
サーサ 「あぁ……」
フェイ 「だな……」
アスト 「そうですね……」
ウィス 「だよね……」
チャキィ「誰ですか?」
5人  「!」
ウィス 「ちっ……チャキィ! いつからそこに!?」
チャキィ「さっきからずーっとですよ? あ、シンさーん! フェイさん達が覗きを画策してます! あと、みんなしてシンさんの胸が小さいって言ってますよーっ!!」
ウィス 「ちょっ……チャキィ!」
アスト 「声が……大きい、です……」
リアン 「お前が一番はっきりと言っているぞ!」
フェイ 「そうだぞ! 俺達は何が小さいとは言ってねぇ!」
サーサ 「ってか、言うなよ! 僕達はまだ死にたくないぞ!」
シン  「言いたい事はそれだけか?」
5人  「!!」



   ルナ「不埒な事を考える方々にはペナルティが必要ですわね。鋭き閃光、激しき雷鳴、畏れ振り撒き……」
   リノ「それはやり過ぎ! サーサ達、早く逃げて!」

   ドカーン!


「温泉 4」


サーサ 「痛たたた……」
チャキィ「良いザマですね。覗きなんかしようとするからですよ」
サーサ 「うるさいなー……。あ、ところでさ、チャキィはどっちになるんだ? 男湯? 女湯?」
チャキィ「さぁ……どちらにしますかねぇ……?」
サーサ 「え?」
チャキィ「ボクはその気になれば、性別くらいどうとでも誤魔化せますしねぇ……」
サーサ 「へ!? いや、どういう意味……」
チャキィ「このパーティ、何気に男女とも美形率高いですよねぇ……。スタイル抜群で綺麗なお姉さん達と入って楽しむか、引き締まった筋肉を持つお兄さん達と入って目の保養にするか……」
サーサ 「おい、お前ら! 中止! 温泉中止! 一番危ない奴が野放しになってるぞ!!」



   チャキィ「冗談ですよ」
    サーサ 「本当かよ!?」


「意外な一面」
(ラストバトル終了後)


シン 「……びっくりだよね」
ウィス「……」
シン 「そりゃ、確かに子どもの頃に考えた詠唱だとは聞いていたけどさ……」
ウィス「……」
シン 「学者で、大学の教授で、孤児院で勉強を教える先生が」
ウィス「……」
シン 「真面目な顔して」
ウィス「……」
シン 「ブレイズフェニックス……(笑い噛み殺し)」
ウィス「……(頭抱え+突っ伏し)」

リノ 「……助けないの?」
リアン「……どうフォローしろと言うんだ……」



   ウィス「笑わないでって言ったじゃないか!」
   シン 「子どもの頃のウィスの言葉の選択次第だとも言った」
   ウィス「……」


以上。
お粗末さまでした。